TECHNOLOGY

技術紹介

海水交換型防波堤

波の力を利用して底層流を発生させ、汚れた海水を吸引し閉鎖性水域における海水交換を促進します。

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海水交換促進型防波堤は、ピストンモード直立消波構造体の有する垂下板前面に生ずる渦の力(負圧)を動力として、防波堤背後(港内)の海水を前面(港外)に排出する技術です。本構造体は独立行政法人水産総合研究センター水産工学研究所と財団法人災害科学研究所内に設置された沿岸新技術研究会との共同研究により開発が進められています。

底層流(平均流)の生成機構

港外側から波が作用すると遊水室内にピストンモードの波動運動が発生します。所定の波長の波では、垂下板前後の水位変動により位相差が発生し、共振現象によりピストンモードの波動運動がさらに増幅します。(ピストンモード波浪共振)このとき垂下板下端では大規模な渦流が発生し、波エネルギーはこの渦流れという仕事により消散します。この消波原理を利用したものがピストンモード直立消波構造体です。

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このピストンモード消波構造体の遊水室内に水平版を設けると、引き波時に発生する渦の影響を卓越させることになり、この渦が水平版下部の水塊を吸引し、港内から港外に向かう底層流(平均流)を発生させます。

特徴

1.潮汐を用いない海水交換促進構造体

従来の海水交換促進構造体は、潜堤式海水導入やパイプ式海水導入など、潮汐を利用して海水を導入する方法がとられていましたが、本構造体は、波の力を利用して底層流を発生させる全く新しい海水交換方法です。

2.直立消波型の防波堤として利用可能

透過率が低いため、防波堤の機能を損なうことがありません。また、反射率も低く消波機能を兼ね備えているため、直立消波構造の防波堤としての利用が可能です。

3.底層水や底泥を吸引・排出

発生した平均流がポンプの役割を果たし、富栄養化した海域の底層水や底泥を直接吸引し、港外に排出することも可能です。